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米、北朝鮮衛星を注視 日韓と連携、性能分析


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ワシントン共同】米軍は、北朝鮮が12月1日に偵察任務を始めるとしている軍事衛星の運用を注視している。米韓両軍や自衛隊の動向を独自に把握できる可能性が広がれば北朝鮮の脅威が増すことになる。バイデン政権は日本や韓国と連携して衛星の性能分析を進める構えだ。 (2面に関連)
 北朝鮮の朝鮮中央通信は25日、衛星が24日に在韓米軍基地のあるソウル南方の平沢や北西部烏山、西部群山、ソウルなどの「重要標的地域」、25日に南部釜山に寄港中の米原子力空母カール・ビンソンや米ハワイの軍施設を撮影したと伝えた。金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が平壌総合管制所を視察し、写真を確認したという。
 米軍は今月21日に北朝鮮が打ち上げた「万里鏡1号」に衛星番号を付けて監視し、高度約500キロ前後で地球を1日15周する速さで軌道を回っているとしている。姿勢制御の精度や、偵察対象の画像を実際に地上の管制所に送れているかどうかに関心を寄せる。
 複数の専門家は、万里鏡1号は日中に撮影する光学衛星で、性能はまだそれほど高くないとみる。韓国外国語大のメイソン・リッチー准教授はシンガポールのニュース専門テレビ、チャンネル・ニューズ・アジアに対し「解像度は商業用の衛星画像より低い3~10メートル程度」との見方を示した。