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ハンセン病患者家族に補償 ブラジル、生涯年金で支給


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【サンパウロ共同】ブラジルのルラ大統領は26日までに、ハンセン病を理由に強制隔離された患者の家族に対する補償を生涯年金の形で支給する法を承認した。現地メディアによると、ルラ氏は「国家は(隔離政策により)親子を引き離すという過ちを犯した。謝罪し損害を回復する必要がある」と述べた。
 ルラ氏はハンセン病患者と家族への補償を認めたのはブラジル政府以外では日本政府だけだと指摘した。
 承認は24日。ブラジルでは1920年代から76年まで国が患者の強制隔離を定め、86年まで続けられた。同法の補償の対象となるのは約1万5千人。存命中の隔離されていた元患者は約5500人いるという。
 金額は後日法令で明らかにし、最低賃金の月1320レアル(約4万円)を下回らない額になる。 
 保健省によると、ブラジルでは年間平均2万1千人の新規患者が報告されている。
 日本では2001年、元患者本人による国賠訴訟で熊本地裁が隔離政策を違憲と判断し、国は控訴を断念して謝罪、補償法ができた。