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休戦再延長へ協議加速 ガザ戦闘 5日連続で身柄交換


休戦再延長へ協議加速 ガザ戦闘 5日連続で身柄交換 イスラエル当局に釈放されたパレスチナ人ら=28日、ヨルダン川西岸ラマラ(ロイター=共同)
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 【エルサレム共同=吉田昌樹、橋本新治】パレスチナ自治区ガザの戦闘休止合意を仲介するカタールと米国などは29日、合意の再延長に向け協議を加速させた。イスラエル首相府は28日、イスラム組織ハマスが拘束する人質のうち、新たに17~84歳のイスラエル人女性10人とタイ人2人の計12人が解放されたと発表した。カタール政府によると、これと交換でイスラエルも拘束していたパレスチナ人30人を釈放した。身柄交換は5日連続。
 イスラエルは、ハマスから29日に解放予定の人質のリストを受け取った。外国人を含め十数人となる見込みだが、ハマスは依然、百数十人の人質を拘束中とみられる。戦闘休止は29日朝(日本時間同日午後)、最終予定日の6日目に入った。5日間でハマスが解放した人質は外国人を含め81人、イスラエルが釈放したパレスチナ人は180人。イスラエル軍は戦闘休止の終了後、地上侵攻をガザ北部から南部に拡大する方針だ。
 仲介交渉ではさらに数日間の戦闘休止延長が協議されているもよう。イスラエル側は計10日間を超える休止に応じない方針だとも伝えられる。
 米メディアによると、中央情報局(CIA)のバーンズ長官は28日、カタールでムハンマド首相兼外相やイスラエルの対外特務機関モサドのバルネア長官と極秘会談し、ハマスが拘束する男性や軍関係の人質の解放に向けて交渉を進めるよう要求した。これまでの交渉対象は女性や未成年の人質に限られていた。
 バーンズ氏は米国人人質8~9人の即時解放も求めた。ブリンケン米国務長官は今週後半にイスラエルを再訪する予定。
 中東メディアは29日、ガザ南部の海岸にイスラエル軍の砲撃があったと伝えた。軍は28日、ハマスの10月の奇襲で拉致された兵士3人の死亡を確認したと明らかにした。
 イスラエル政府は、ハマスが人質10人を追加解放するごとに、戦闘休止を1日ずつ延長すると明らかにしている。外国人の解放は合意とは別枠で、男性も含まれている。
 ガザ当局によると、戦闘によるガザ側の死者は1万5千人以上となっている。イスラエル側の死者は約1200人。