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ガザ休戦 1日再延長 イスラエル、戦闘再開意向 米長官、休止継続を交渉


ガザ休戦 1日再延長 イスラエル、戦闘再開意向 米長官、休止継続を交渉 イスラエルとハマスの身柄交換
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=橋本新治】イスラエル軍とイスラム組織ハマスは30日朝(日本時間同日午後)、パレスチナ自治区ガザでの戦闘休止の延長期限が切れる直前に再延長に合意した。戦闘再開がぎりぎりで回避された。仲介するカタール政府の発表によると、延長期間は1日で、新たな期限は12月1日朝とみられる。イスラエルは休止後に戦闘再開の意向を示している。
 イスラエルを再訪したブリンケン米国務長官は30日、ヘルツォグ大統領と会談し「(戦闘休止は)結果を生んでいる」と指摘した。延長交渉は徐々に難しくなっており、戦闘休止の継続を実現できるかどうかが焦点だ。
 合意により30日もハマスの人質解放と、イスラエルのパレスチナ人釈放の身柄交換が実施される見通し。イスラエルメディアは30日に解放される人質のリストには8人の女性と子どもが含まれていると報じた。
 イスラエル首相府は30日朝、ハマスが合意履行の手続きを期限までに進めなければ「直ちに戦闘再開することを決めていた」と明かした。
 イスラエルメディアによると、エルサレムのバス停で30日朝、パレスチナ人の男2人が銃を発砲し、3人が死亡、6人がけがをした。近くにいたイスラエル軍兵士らが男2人を射殺した。
 イスラエル軍によると、戦闘休止6日目の29日もハマスの人質のうち、新たにイスラエル人10人とタイ人4人、ロシアとイスラエルの二重国籍の女性2人の計16人が解放された。イスラエルも拘束していたパレスチナ人30人を釈放した。身柄交換は6日連続。ハマスは百数十人の人質を拘束しているとみられる。
 戦闘休止が始まった24日からの6日間で、ハマスが解放した人質は外国人を含め97人。イスラエルが釈放したパレスチナ人は210人。
 ハマスは29日、人質の中で最年少とされる生後10カ月の男児ら家族3人がイスラエル軍の空爆で死亡したと主張した。信ぴょう性は不明。軍は調査していると表明した。
 国連安全保障理事会は29日、ガザ情勢を協議する閣僚級の公開会合を開催した。各国はハマスが拘束する人質の解放と、戦闘休止の延長や長期の停戦を要請した。
ハマスから解放され、母親(右)と再会した元人質のイスラエル人。イスラエル軍が30日公開した=南部ハツェリム(AP=共同)