【エルサレム共同】「お母さん、お願い。ガザの外に出たい」。イスラエル軍が攻撃を再開したパレスチナ自治区ガザで、少女が切実に訴えた。待ち望んでいた戦闘休止はたった1週間で終了。再び始まった苛烈な攻撃で行き場を失ったガザの住民が2日までに共同通信の電話取材に応じた。 (1面に関連)
「お母さんは戦闘が終わると言った。この爆撃はなんなの。うそつき」。12月1日、隣家が攻撃され、おびえて詰め寄る子どもたち。サリー・サマクさん(40)は言葉に詰まった。
長女(16)と次女(14)、三女(12)の計3人の子どもと共にガザ北部から中部に避難してきた。11月24~30日の戦闘休止中は、子どもたちを安心させようと「戦闘は終わって自宅にすぐに戻れる」と言い聞かせてきた。
だが、休止合意の決裂で期待はもろくも崩れた。「イスラエルの攻撃は今日だけ。今日の攻撃は私たちを怖がらせる心理戦に過ぎない」。サマクさんが答えると、長女は「戦闘は何カ月も続くから、もううそを言わないで」と返した。
ガザでは食料や燃料が不足し、人道危機が深刻化している。日常生活が戻るめども立っていない。子どもたちはガザから出たいと口にするが、境界はイスラエルに封鎖され、実現の見通しはない。子どもに良い教育を受けさせようと努力してきたが、イスラム組織ハマスがイスラエルを奇襲したことで全てが無駄になったと憤りを感じている。
ガザではこれまでもイスラエル軍とハマスの戦闘が頻発、そのたびに巻き込まれてきたサマクさん。子どもには違う人生を歩んでほしいと願う。今後については「神のおぼしめしだ」と答えるのが精いっぱいだった。
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少女「ガザを出たい」 戦闘再開に訴え切実
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琉球新報朝刊
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