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イスラエル ガザ南部侵攻 全域空爆、住民に退避要求


イスラエル ガザ南部侵攻 全域空爆、住民に退避要求 避難民が身を寄せているガザ地区南部ハンユニスのナセル病院=3日(ゲッティ=共同)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=橋本新治、平野雄吾】イスラエル軍のハガリ報道官は3日夜、パレスチナ自治区ガザ北部に続き、南部にも地上部隊が侵攻したと明らかにした。「軍はガザ全域に地上作戦を拡大し続けている」と述べた。イスラム組織ハマスの壊滅を目指す軍は4日、南部最大都市ハンユニスの中心部の一部を指定して住民に大規模な退避を要求した。
 南部は既に避難者であふれ、民間人被害の増加が不可避の情勢だ。空爆も全域で強化し、ガザ保健当局は4日だけで300人以上が死亡し、ガザ側の死者が1万5800人以上となったと明らかにした。イスラエル側の死者は約1200人。
 一方、米中央軍は3日、紅海で3隻の商業船が攻撃され、米海軍の駆逐艦が複数の無人機を撃墜したと明らかにした。イエメンの親イラン武装組織フーシ派は3日、イスラエル船舶2隻を攻撃したとの声明を出した。イスラエルは船舶との関係を否定している。
 イスラエル軍制服組トップのハレビ参謀総長は3日「部隊はガザ南部でも力強く戦っている。北部と同じような結果を得るだろう」と強調。「ハマスの戦闘員はあらゆるところでイスラエル兵に遭遇する」と警告した。ロイター通信によると、軍高官は4日、ガザ北部の作戦を完了しつつあると述べた。
 中東の衛星テレビ、アルジャジーラは4日、軍の戦車や装甲車が同日午前、東側からハンユニス方面に向かって移動を開始したと報じた。
 軍関係者によると、部隊はハンユニスの北方周辺に展開。徐々に増強し、ハマス拠点への攻勢を強める。国連によると、南部方面では2日時点で100万人近くが99カ所の施設に避難しているという。
 ガザ当局によると、北部ガザ市東部のシャジャイヤ地区では住宅50棟が爆撃され、数百人が死傷、多数ががれきの下敷きになった。
 中東メディアによると、軍は北部ジャバリヤでも攻勢を強め、難民キャンプや病院を攻撃した。