【香港共同】香港の民主活動家で2019年の反政府デモを巡って実刑判決を受け服役し、21年に出所した周庭氏(27)が3日、留学先のカナダ・トロントに9月から滞在しており「(香港には)恐らく一生戻らない」とインスタグラムで明らかにした。事実上の亡命の可能性がある。
周氏は民主化を求めた14年の大規模デモ「雨傘運動」で注目を集め“民主の女神”とも呼ばれ、19年のデモでは政治団体の一員として、国際社会に対中制裁など圧力強化を訴えた。日本語が流ちょうなことから日本でも知名度が高い。
香港国家安全維持法(国安法)違反罪で起訴される可能性があり、12月に香港の警察への出頭が必要で香港行き航空券も買っていたが「香港情勢や自分の安全、心理面の健康を考慮し戻らないと決めた」と説明した。
出所後は3カ月ごとに出頭を求められ、再び拘束される不安にさいなまれていたと明かした。出頭時に収入や人間関係などを聞かれ「自由がなく監禁されている」と感じたといい、心的外傷後ストレス障害(PTSD)や、うつ病に苦しんでいるという。
香港警察は4日「法に公然と反する無責任な行為を、厳しく非難する」との文書を出した。中国外務省の汪文斌副報道局長は4日「香港は法治社会だ。いかなる人にも法外の特権はなく、犯罪行為は必ず処罰される」と述べた。
周氏によると、警察から中国本土に行くことがカナダ留学の条件だと言われ、8月に警察に付き添われて広東省深圳を訪れ、改革・開放政策の展示施設や中国IT大手を見学。その後「祖国の偉大な発展を理解することができ、警察に感謝する」との文章を書かされ、旅券が返された。過去の政治活動を後悔し、今後は関わらないとする反省文も書かされた。
周氏は19年6月の香港警察本部包囲デモを巡り、20年に無許可集会扇動罪などで禁錮10月の実刑判決を受けて服役。出所後、公の場に姿を見せず政治的な活動に参加していなかった。
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周庭氏「香港戻らない」 民主活動家、カナダ亡命か
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琉球新報朝刊
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