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廊下に患者、足りない医薬品


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同】廊下に横たわる無数の患者、泣き叫ぶ血だらけの子ども―。パレスチナ自治区ガザの戦闘休止は1日、わずか1週間で終わり、支援物資が十分に届かないまま、イスラエル軍の攻撃が再開した。
 混乱は地上部隊が侵攻を拡大する南部の病院にも広がる。「患者が次々と運ばれてくる」。惨劇がガザ全域で続いている。
 「頭部を負傷した子ども、破片が刺さった子ども、激しいやけどをした子ども…。負傷した子どもが次から次に運ばれてくる」。南部ハンユニスのナセル病院を訪問した国連児童基金(ユニセフ)のジェームズ・エルダー報道官は3日、英BBC放送や中東の衛星テレビ、アルジャジーラに「水も衛生用品もない」と窮状を明かした。
 現地からの報道によると、ガザ北部の病院の外では、ほこりまみれの少年が、血だらけの弟の遺体のそばでがっくりと膝をついた。弟にキスをして「僕も一緒に埋めて」と泣き叫んだ。
 激しい攻撃を受けたガザ北部では多くの病院が稼働停止に追い込まれ、患者らは南部の病院に移送された。しかし南部の状況も悪化するばかり。ハンユニスのダルアッサラーム病院に患者を搬送した北部ガザ市のトルコ・パレスチナ友好病院のソブヒ・スカイク院長は「再び患者を避難させる準備をしている。この悲惨な状況を表す言葉が私にはない」と話す。