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南部最大都市を猛空爆 ガザ侵攻 イスラエル地上部隊迫る 北部学校50人死亡か


南部最大都市を猛空爆 ガザ侵攻 イスラエル地上部隊迫る 北部学校50人死亡か イスラエル、ガザ地区・ガザ市、ハンユニス
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同=橋本新治】パレスチナ自治区ガザ南部に地上侵攻を拡大したイスラエル軍は4日、南部の最大都市ハンユニスへの空爆や砲撃を強化した。ハンユニスでの空爆は戦闘開始以降、最大規模とみられる。中東メディアによると、軍は5日もハンユニス東方から進軍。標的とするイスラム組織ハマス指導部が南部にいるとみて地上作戦を進める。空爆は全域で行われ、パレスチナ通信によると、住民が避難する北部の二つの学校で50人が死亡した。
 中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、イスラエルのガラント国防相は南部での作戦は北部より激しくなるとの見方を示した。軍報道官はハマス指導部の多くが「進軍先に隠れているだろう」とし、南部の作戦で「取り除く多くのチャンスがある」と指摘した。
 ハマスはハンユニス東方で戦車を攻撃したと主張。軍はハンユニスの約20%のエリアから避難を求めるなど南部の住民に大規模な退避を要求し、混乱が続いている。ガザ南部は避難者であふれ、民間人被害がさらに増加することが懸念される。
 サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は4日の記者会見で、イスラエルに民間人被害を最小限にするよう求めた。一方、ハマス掃討のための「あらゆる権利」があるとし南部での軍事作戦に理解を示した。
 ガザ保健当局は1日の戦闘再開以降で約900人が死亡し、ガザ側は死者は1万5800人以上と表明。イスラエルメディアによると、同国高官はガザ攻撃の犠牲者の約3分の2は民間人と明らかにした。イスラエル側の死者は約1200人。
 イスラエルメディアによると、中部アシュケロンで5日、ガザからのロケット弾がビルに直撃し複数人がけがをした。
 米シンクタンクの戦争研究所によると、ガザ北部ではイスラエル軍がハマス戦闘員の掃討作戦を実施。ハマス側は小火器などで応戦している。
 イスラエルとレバノンの国境では5日も軍とレバノンの民兵組織ヒズボラの交戦が続いた。