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仮設住宅でハワイ支援 世界的建築家・坂さん 「困っている人の役に」


仮設住宅でハワイ支援 世界的建築家・坂さん 「困っている人の役に」 5日、米ハワイ州マウイ島北部パイアで仮設住宅を造る若者ら(共同)
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 【パイア共同】世界的建築家の坂茂さんが、米ハワイ州マウイ島の山火事の被災者支援に乗り出した。壊滅的な被害を受けた西部ラハイナ出身の日系人姉妹の要請に応じ、現地で仮設住宅の試作品造りに取り組んでいる。5日の取材に「住環境で困っている人がいれば改善するのが建築家の責任だ」と語った。
 マウイ島北部パイア。強い日差しの中、日米の若者らが基礎の上の床板にベニヤ板の壁や紙製の柱を固定していく。坂さんは作業を見守り、時折指示を出す。造っているのは今年2月のトルコ地震などの被災地で設置したのと同じ構造の仮設住宅。坂さんは「技術がない人でも、安くて早く建てられる」と説明した。
 ラハイナで育ち、島内の別地域に住む日系2世、原マヤさん(55)と妹の弥生さん(48)が10月中旬、坂さんに支援を求めるメールを送り、快諾を得た。2千棟以上の住宅が損壊し、ホテルや知人宅で避難生活を続ける人も多い。弥生さんはストレス軽減のためには「プライベート空間が欠かせない」と訴える。
 試作品は6日に完成する予定。ラハイナの住民らの理解を得た上で、普及のため「地元企業などから資金を募りたい」と弥生さん。坂さんは「困っている人の役に立ってほしい」と話した。