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イスラエル 南部攻勢強化 国連総長、停戦を安保理要請


イスラエル 南部攻勢強化 国連総長、停戦を安保理要請 イスラエル軍の攻撃を受けた建物で生存者を捜索する人々=7日、ガザ地区南部ラファ(ゲッティ=共同)
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 【エルサレム共同=橋本新治、平野雄吾】イスラエル軍は7日、イスラム組織ハマスが拠点を置くとみるパレスチナ自治区ガザ南部の最大都市ハンユニスで攻勢を強め、ハマス戦闘員を殺害し数十の拠点を破壊したと発表した。イスラエルのネタニヤフ首相は6日、10月の奇襲の首謀者と見なすハマスのガザ地区責任者シンワール氏のハンユニスにある自宅を包囲したとして「見つけるのは時間の問題だ」と述べた。軍報道官は「地上にはいない。地下に潜っている」と説明した。
 国連のグテレス事務総長は6日、ガザ情勢を「国際平和と安全の維持への脅威」として安全保障理事会に注意喚起し、人道停戦を求めるよう安保理に要請した。国連憲章第99条に基づく異例の措置で、グテレス氏によるこの権限の行使は初。イスラエルは反発した。
 軍はハンユニス侵攻に当たり、ガザ最南部のエジプト境界に近いラファに避難するよう住民に通告。中東の衛星テレビ、アルジャジーラは、ラファでは6日夜から7日にかけ、少なくとも住宅5棟が砲撃で破壊され多数が死亡しており「安全な場所はない」と報じた。
 軍は北部ジャバリヤでも市街戦を展開。ハマスも、衝突を繰り広げて戦果を上げたと主張した。軍によると、ジャバリヤでは7日、部隊がハマス戦闘員を多数殺害したほか、地上の拠点につながる地下のトンネル網や武器庫、軍事訓練施設を発見。英BBC放送は6日、目撃者の話として、ジャバリヤでは戦車が難民キャンプを取り囲み、全方位から攻撃を強化していると伝えた。
 イスラエル首相府は6日、政府がガザ南部への最小限の燃料搬入を承認したと発表した。規模は不明。イスラエルメディアは米国が搬入拡大を求めていたと伝えた。