【サンパウロ共同】南米ペルーのアルベルト・フジモリ元大統領(85)は6日、在任中の人権侵害事件で服役していた首都リマ郊外の拘置施設から約5年ぶりに釈放された。施設の前で出迎えた長女ケイコ氏(48)と次男ケンジ氏(43)と抱き合い、リマ市内のケイコ氏自宅に車で移動した。現地メディアが報じた。
ケイコ氏は自宅前で報道陣に対し、父親が「衰弱」しており世話が必要だと説明。「家族の愛情が一番の薬で、中でも孫の愛が格別だ」と話し、孫娘と再会し満面の笑みを見せるフジモリ氏の写真をX(旧ツイッター)に投稿した。
一方で検察は6日、別の人権侵害事件についてフジモリ氏の1年半の自宅軟禁を請求した。
ペルーの憲法裁判所は4日付でフジモリ氏の即時釈放を命じた。2022年3月に人身保護請求に応じて釈放を認めた判断を履行すべきだとした。高齢や健康悪化、刑期の約3分の2を終えたことなども理由に挙げた。
これに対し、米州人権裁判所(本部コスタリカ)は5日、事件遺族の要請を受け政府に対して憲法裁の命令に従わないよう求める判断を出していた。ペルー側は判断に従わなかったことになる。
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フジモリ元大統領 釈放 ペルー、検察は軟禁請求
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琉球新報朝刊