【北京共同】イタリア政府が6日までに中国の巨大経済圏構想「一帯一路」からの離脱を中国側に正式に通知した。中国外務省の汪文斌副報道局長は7日の記者会見で、イタリア離脱の事実確認を避けながら「一帯一路を侮辱し、破壊することに断固反対する」と述べ「経済的恩恵が乏しい」といった批判に反発した。中国は欧州の参加国に離脱が波及することへの警戒を強めている。
中国の習近平国家主席は7日、欧州連合(EU)との首脳会談で、一帯一路とEUの域外インフラ支援構想を連携させ、発展途上国支援で協力したいとの意向を示した。
先進7カ国(G7)で唯一参画していたイタリアの離脱の影響を軽減しようと、中国は最近になってイタリアを含む欧州各国に出入国管理で優遇策を打ち出した。
中国政府によると、一帯一路にはギリシャやハンガリーなどEU加盟国を含む欧州の二十数カ国が参加している。
だが外交筋によると10月に北京で開かれた一帯一路の国際会議には欧州の一部の参加国が代表団派遣を見合わせた。中国がウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領を会議に招待したことに反発し、一帯一路と距離を置く動きが広がった。
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「伊、一帯一路を破壊」 中国、離脱波及を警戒
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琉球新報朝刊