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ハマス戦闘員 数百人投降 イスラエル、ガザ攻撃継続


ハマス戦闘員 数百人投降 イスラエル、ガザ攻撃継続 パレスチナ自治区ガザ南部ハンユニスで、イスラエルの攻撃によりがれきの下敷きになった女性の救出活動=7日(AP=共同)
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 【エルサレム共同=平野雄吾】イスラエル軍は7日、パレスチナ自治区ガザ北部で数百人のイスラム組織ハマス戦闘員が投降したと明らかにした。軍のハガリ報道官は「全員を拘束し、尋問している」とした。中東メディアによると、ハマスの掃討を目指す軍は8日、北部ジャバリヤや南部ハンユニス、避難民が急増する南部ラファなどガザ全域で攻撃を続けた。
 国連安全保障理事会は7日、グテレス事務総長の異例の訴えを受け、8日(日本時間9日)にガザ情勢を協議する緊急会合を開催。即時停戦を求める決議案を採決する。
 イスラエル軍の報道官によると、拘束したのはガザ北部ジャバリヤやシャジャイヤのハマス戦闘員で、大半が6~7日に投降した。ハマス戦闘員の士気が低下し始めている可能性がある。軍は8日、陸海空から約450の拠点を攻撃したと発表した。また7日、ガザ北部の大学で地下トンネルや爆発装置を発見したという。
 一方、スイス西部ジュネーブを拠点に活動する非政府組織(NGO)の欧州地中海人権モニターは7日、「イスラエル軍はガザ北部ベイトラヒヤの学校で医師やジャーナリストを含め多数の避難者を拘束した」との声明を発表。「殴打し裸にした」とした上で「無作為で恣意(しい)的な拘束を始めた」と非難した。服を脱ぐのを拒んだ男性7人が軍兵士に銃殺されたとも指摘した。
 国連高官は7日、イスラエルとガザ南部の境界にあるケレムシャローム検問所が近く開かれる可能性があると述べ、支援物資を運ぶ上で「明るい兆し」だと指摘した。10月7日の戦闘開始後、ガザ南部にあるエジプト境界のラファ検問所が唯一の支援物資の搬入路となっている。
 パレスチナ赤新月社は8日、ハンユニスにある赤新月社の拠点や病院近くの住宅が攻撃され、数十人が死傷したと発表した。
 ガザ保健当局によると、10月7日からの戦闘によるガザ側の死者は計1万7177人。地元メディアによると、ガザ地上侵攻で死亡したイスラエル兵は約90人。