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ゲームで被災地知ろう 12市町村舞台、東北大生ら開発 福島民報提供


ゲームで被災地知ろう 12市町村舞台、東北大生ら開発 福島民報提供 12市町村を舞台にしたゲームを開発している宮崎さん
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 東北大工学部などの学生有志は、東京電力福島第1原発事故で避難区域が設定された12市町村を舞台にしたスマートフォン用ゲームを開発し、年内にも無料配信を始める。実際にある名所や建物をイメージした場所を訪れる主人公の冒険を通じプレーヤーに被災地への関心を持ってもらう。
 ゲームのタイトルは「12RPG(仮称)」。東日本大震災後の浪江町で目を覚ました記憶喪失の主人公「カクゾウ」が、木々を切り開きながら各地を巡り、施設などを出現させる。次第に失った記憶を取り戻し、主人公が何者なのかが判明する。
 舞台となるフィールドは12市町村の形。浪江町のフィールドを最初に配信し、道の駅なみえや請戸漁港などを模した施設が登場する。他の市町村については順次、配信して来年中に完成させる。
 中心となっているのは東北大工学部2年の宮崎翔太郎さん(20)=山口県出身。昨年6月、浪江町津島地区の帰還困難区域を訪問した際、放置された人家などの光景に衝撃を受け、ゲームによって復興を後押ししようと思い至った。東北大や秋田公立美術大に通う知人ら計8人で作業に当たっている。宮崎さんは「観光客の増加や交流人口の拡大につなげたい」と意気込んでいる。