有料

ガザ南部中心に戦車進軍 イスラエルが攻略強化


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同】イスラエル軍は11日、パレスチナ自治区ガザ南部の最大都市ハンユニスの中心部に戦車部隊を進軍させ、イスラム組織ハマスと激しい戦闘を展開した。軍関係者が共同通信に明らかにした。ハマスのガザ地区トップ、シンワール指導者が潜伏しているとみて攻略を強化。イスラエルのネタニヤフ首相は10日、この数日で多数のハマス戦闘員が投降したと主張し「ハマスの終わりの始まりだ」と語った。(21面に関連)
 国連総会は10日、ガザ情勢を協議する緊急特別会合を12日午後(日本時間13日午前)に開くことを決めた。「人道目的の即時停戦」を求める決議案が提出されており、会合で採択される見通し。
 軍は11日もガザ全域で攻撃を継続、北部シャジャイヤなどで戦闘員を殺害し、民間住宅から武器を発見したと発表した。10日にはシャジャイヤのハマス新司令官を殺害したと表明。イスラエル政府報道官は、軍がこれまでに殺害したハマス戦闘員は少なくとも7千人に上ると述べた。10月下旬の地上侵攻以降、軍兵士の死者は101人。
 中東の衛星テレビ、アルジャジーラによると、ガザ中部デールバラハの難民キャンプへの空爆で少なくとも23人が死亡。ガザ保健当局によると、10月に戦闘が始まって以降のガザ側の死者は1万7997人に上った。
 軍はハンユニス住民に一方的に退避するよう通告、混乱が広がる。国際非政府組織(NGO)「セーブ・ザ・チルドレン」は9日「子どもや家族を『安全地帯』という名の『死の地帯』に押し込めている」と非難した。
 イスラエルと敵対するイエメンの親イラン武装組織フーシ派は9日、ガザに食料や医薬品が搬入されなければ、イスラエル行きの全船を標的にすると警告。レバノン国境では11日も親イラン民兵組織ヒズボラとイスラエル軍の交戦が続いた。