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「原発3倍」宣言 環境団体が批判


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 国連気候変動枠組み条約第28回締約国会議(COP28)に合わせ、米国や日本などが世界の原発の発電能力を3倍に増やすと宣言したことについて、国内の環境団体が13日にオンラインで記者会見し「(原発は)現実的に脱炭素に貢献しない」と批判した。
 宣言は2050年までに温室効果ガス排出を実質ゼロにする目標に向け、原発が「重要な役割を果たす」と強調。日米のほか英国、フランス、カナダなど計23カ国が賛同した。環境団体側は、再生可能エネルギーを30年までに3倍にする宣言に123カ国が合意したことに比べ、広がりを欠いたとしている。
 NPO法人・原子力資料情報室の松久保肇事務局長は、原発は計画から運転開始までに長い時間がかかり、建設コストも高いと指摘。「原発3倍」は「再生エネの導入を妨げてしまうことにもなりかねない間違った選択だ」と話した。
 環境団体350.orgの伊与田昌慶さんも「原発に反対する国や懸念する国もあり、各国が増やすことで一致したわけではない」と述べた。