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中国世論工作、若者に照準 台湾総統選、当局が介入分析


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【台北共同】台湾の情報当局者は13日までに、来月投開票の総統選に対する中国の介入に関して総合的な分析内容を明らかにした。今回の総統選を「平和か戦争の選択」だと位置付ける中国の世論工作について、今回初めて総統選に投票する若者らを対象にしたものだとの見方を示した。
 中国は、独立派と見なす与党、民主進歩党(民進党)政権が続けば「戦争」の危険が高まると宣伝。当局者は、初めて総統選の有権者となる100万人余りを含む若者らの投票行動が「非常に重要」だと強調。「戦場に行くのは若者」との認識を植え付けた上で、若者の投票に影響を与える狙いだと分析した。
 当局者によると、11月には4回にわたり中国の軍用機と軍艦が同時に台湾領海の外側にある接続水域に接近。従来は軍用機と軍艦は別々に活動してきたことが多かったが、最近は連携して活動するケースが増えている。
 また台湾海峡の中間線を越えて気球を飛来させたり、観測用船舶を台湾周辺で航行させたりする例もあり、当局者はいずれも心理戦の一環とみている。
 中国による介入の中で、台湾の対中貿易規制を巡る調査は「最も系統立っている」と言及。民進党候補の頼清徳副総統が当選した場合、中台が貿易自由化のために結ぶ経済協力枠組み協定(ECFA)の一部を停止すると示唆することで、中国側は台湾の関連業界に圧力をかけていると指摘した。