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「国際社会の支持失う」 米大統領、イスラエルに警告


「国際社会の支持失う」 米大統領、イスラエルに警告 13日、パレスチナ自治区ガザ南部ラファで、イスラエル軍に攻撃された建物(ロイター=共同)
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 【ワシントン、エルサレム共同】バイデン米大統領は12日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマス掃討を続けるイスラエルに「無差別爆撃で国際社会の支持を失い始めている」と警告した。国連総会は12日、ガザでの即時停戦を求める決議案を採択。総会が人道的休戦を要請する決議を採択した10月下旬に比べ、賛成国が30カ国以上増え、イスラエルの軍事作戦が国際的支持を失っていることが示された。イスラエル軍は13日もガザ全域で攻撃を続けた。
 米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は12日、ハマスがガザに構築した地下トンネル網にイスラエル軍が海水を流し込む「水攻め」を始めたと報じた。トンネル内の戦闘員を追い出すための浸水には数週間かかる見通しとしている。
 バイデン氏はイスラエルを擁護する一方、民間人犠牲者を最小限にするよう忠告してきた。ただ犠牲者増加で国際社会の反発が強まることを受け、ワシントンでの集会で欧州など多くの国の支持が離れているとし、強硬な作戦の転換を迫った。
 戦闘後のガザ統治を巡っては、パレスチナ国家創設による「2国家共存」の受け入れを要求。ネタニヤフ政権を「イスラエル史上最も保守的な政権」とし、共存に反対する政権内の極右閣僚の交代を念頭に内閣改造が必要だとの認識を示した。
 イスラエルのメディアによると、サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は14日にイスラエルを訪問し、ネタニヤフ首相と会談。民間人被害拡大への懸念を伝達するとみられる。
 ネタニヤフ氏は12日のビデオ声明で、パレスチナとの共存を目指した1993年のパレスチナ暫定自治宣言(オスロ合意)を拒否する立場を強調。ガサ統治でバイデン政権と「見解の相違がある」と認めた。