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ガザ戦闘「次段階移行へ」 米高官が説明 ハマス指導部に的


ガザ戦闘「次段階移行へ」 米高官が説明 ハマス指導部に的 ガザ地区を巡る状況、イスラエル軍の制圧エリア、進軍エリア
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム、ワシントン共同】サリバン米大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は15日、パレスチナ自治区ガザで続くイスラエル軍のイスラム組織ハマス掃討作戦は、民間人被害の拡大を招く大規模攻撃から、より正確な手法でハマス指導部に的を絞った「次の段階に移行する」と述べた。移行時期は明言しなかった。訪問先のイスラエルで記者会見した。
 掃討作戦は数カ月かかるとするイスラエル側の見方に同意しつつ、より精密な作戦への移行など「段階を経て進んでいく」と説明した。民間人とハマスを区別することについてイスラエル側と協議したと明らかにした上で「その結果を示してほしい」と求めた。
 中東メディアは15日、イスラエル軍がガザ南部ハンユニスにある国連が運営する学校周辺を攻撃し、33人が死亡したと報じた。医療関係者の話として伝えた。一方、軍はガザとエジプトの境界付近にあるハマスの軍事インフラを攻撃したと主張した。ガザ保健当局によると10月の戦闘開始以降、ガザ側の死者は1万8787人となっている。
 サリバン氏は14日、ネタニヤフ首相らと会談した。地元メディアによると「数週間で大規模攻撃から的を絞った攻撃へと局面転換すべきだ」と伝え戦闘縮小を要請した。ネタニヤフ氏は「ハマスの壊滅、完全勝利まで戦い続ける」と強調した。
 米紙ニューヨーク・タイムズは米高官の話として、バイデン大統領が3週間程度で「より精度の高い」作戦への移行を望んでいると伝えた。米側は、精鋭部隊がハマス指導者の殺害や人質救出、トンネル破壊に当たることを想定しているという。