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「日本との条約交渉不可」 ロ外務次官 北方領土念頭に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 ロシアのルデンコ外務次官(アジア太平洋地域担当)は16日にインタファクス通信が報じたインタビューで、日本がウクライナ侵攻を非難し対ロ制裁を科す現状では「日本との友好協力に関する条約」の交渉継続は不可能だとの認識を示した。北方領土問題を含む平和条約締結交渉を念頭に置いた発言とみられる。
 ルデンコ氏は、昨年2月の侵攻開始後に日本政府が導入した対ロ制裁を「不法」と批判。日本は極東のロシア国境付近で米国や北大西洋条約機構(NATO)側と共に軍備を増強していると主張し「このような条件下では、長期的視野に立った日本との友好と協力に関する条約締結のための対話を続ける見通しはない」と述べた。
 その一方で、日本側との実務的なコンタクトはモスクワの日本大使館を通じて続いていると強調。昨年11月以来空席のロシアの駐日大使が間もなく赴任すると述べた。
 ルデンコ氏は14日、今月着任した日本の武藤顕駐ロ大使と会談した際も、岸田政権の反ロ的政策で日ロ関係の基盤が解体されたと批判した。
 ロシア外務省は侵攻開始直後の昨年3月、制裁に加わった日本の対応を非友好的として、条約交渉を中断すると表明。日ロの政治対話は停滞している。