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ハマス掃討作戦を堅持 人質誤射でイスラエル首相


ハマス掃討作戦を堅持 人質誤射でイスラエル首相 集会に参加した人質の家族ら=16日、イスラエル中部テルアビブ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同】イスラエルのネタニヤフ首相は16日、パレスチナ自治区ガザでイスラム組織ハマスに拘束されていた人質3人を軍が誤って射殺したことを受け記者会見し「人質を取り戻すためにも勝利のためにも軍事的圧力は必要だ」と述べ、ハマス掃討作戦を堅持する姿勢を表明した。
 一方、首相府は17日、イスラエルとガザ南部境界のケレムシャローム検問所を再開したと発表した。これまではガザとエジプトの境界にあるラファ検問所が唯一の支援物資の搬送路だった。ガザでは食料事情が悪化する中、人道支援拡大が期待される。
 人質家族らの間ではガザ侵攻より交渉での人質解放を優先すべきだとの声が高まるが、ハマス掃討への支持は根強い。軍によるとハマスはなお130人前後を拘束中。
 人質解放を巡っては、カタールのムハンマド首相兼外相とイスラエル対外特務機関モサドのバルネア長官が15日、欧州で会談。カタールはイスラエルとハマスの仲介役を務める。ハマス幹部はイスラエルがガザ侵攻をやめるまで追加の人質解放には応じないと主張しており、双方の隔たりは大きい。
 軍は17日もガザ全域で攻撃を続け、パレスチナ通信によると北部ジャバリヤでは軍の空爆で24人が死亡した。中部デールバラハ、南部ハンユニスやラファでも空爆や砲撃があり多数が死傷した。病院への攻撃も続行し、ガザ保健当局によると戦闘開始以降のガザ側死者は1万8700人以上。
 人質家族らは16日、テルアビブで集会を開催。元人質のラズ・ベンアミさんは「作戦だけで解放はできない。政府は新たな戦略を持つべきだ」などと訴えた。人質家族会は16日、「特別声明」を発表するとしていた。