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日米韓ミサイル情報共有 対北朝鮮 システム稼働開始


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ソウル共同】日韓両政府は19日、米国と共に構築した北朝鮮の弾道ミサイル警戒情報の即時共有システムが同日付で稼働を始めたと発表した。軌道や性能を正確、迅速に把握する上で有用とされ、ワシントン近郊で8月に開かれた日米韓首脳会談で年内開始を目指す方針を確認していた。来年以降、複数年にわたる自衛隊と米韓両軍の共同訓練計画も策定した。
 昨年発足した尹錫悦(ユンソンニョル)政権が日韓関係改善に注力し、日米韓3カ国の安全保障協力が急進展した。北朝鮮は地域情勢を対決局面に追い込む「危険千万な軍事的妄動」(朝鮮労働党機関紙、労働新聞)と非難。17~18日には短距離弾道ミサイルと大陸間弾道ミサイル(ICBM)を相次ぎ発射した。固体燃料型の新型ICBM「火星18」の実戦配備を目指す姿勢を鮮明にし、けん制を強めている。
 尹大統領は19日、相次ぐ発射を「朝鮮半島と国際的な安保に対する重大で深刻な挑戦だ」と批判した。情報共有システムについて「本格的に始まり、円滑な作動を確認した」と述べた。韓国国防省高官によると、正式な稼働開始は19日午前9時(日本時間同)だが、18日の北朝鮮のICBM発射に関してもシステムを運用した。
 ミサイルの発射地点や軌道、落下地点の予測などの情報共有が柱となる。こうした情報はこれまで日米、米韓の間でそれぞれ即時共有されてきた一方、日韓間は事後的共有にとどまっていた。地球の丸みにより生じる死角で日本には発射直後の情報が、韓国にとっては日本付近に着弾した時の情報が乏しかった。