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ガザ 戦闘死者2万人に 不明6700人、侵攻継続


ガザ 戦闘死者2万人に 不明6700人、侵攻継続 20日、空爆で亡くなったパレスチナ人の遺体を前に嘆く人々=パレスチナ自治区ガザ(ゲッティ=共同)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【エルサレム共同】パレスチナ自治区ガザ当局は20日、イスラエル軍とイスラム組織ハマスの10月7日以降の戦闘で、ガザ側の死者が2万人に達したとの声明を出した。軍の攻撃で破壊された建物の下敷きになるなどした行方不明者も6700人に上る。民間人犠牲に歯止めがかからず、国際社会でイスラエル批判が拡大する中、ネタニヤフ首相はハマス掃討まで侵攻を続けると強調した。
 ガザ当局によると死者のうち、8千人が子どもで6200人が女性。不明者の7割も女性や子どもが占める。国連人道問題調整室(OCHA)のグリフィス室長(事務次長)は「悲劇的で恥ずべき節目だ」との声明を出した。イスラエル側の死者は約1200人。
 米紙ウォールストリート・ジャーナルは20日、約40人の人質解放の見返りに戦闘を1週間休止するとのイスラエル側提案をハマスが拒否したと報道。カタールと共に仲介役を務めるエジプトの当局者の話としている。
 ハマスは戦闘休止ではなく、停戦や軍のガザ撤退を求めているとみられる。ハマスの最高指導者ハニヤ氏は20日、エジプトを訪問した。バイデン米大統領は同日、人質解放交渉の早期合意は「見通せない」と語った。
 軍は21日も攻撃を続け、北部ガザ市や南部ハンユニスのハマス拠点を破壊。軍報道官は北部での作戦が終わりに近づいていると述べた。パレスチナ通信によると、ハンユニスでは20~21日に55人が死亡。南部ラファ検問所付近にも攻撃があった。
 軍は20日、北部ガザ市中心部の「パレスチナ広場」周辺で発見したトンネル網内のものとする映像や写真を公表した。広場周辺にあるハマスの建物や、地区最大のシファ病院に地下でつながり、広場がハマス軍事支配の中心だったと主張した。