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オスプレイ「安全に懸念」 米下院委が情報要求


オスプレイ「安全に懸念」 米下院委が情報要求 CV22オスプレイ
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【ワシントン共同】米下院監視・説明責任委員会のコマー委員長は21日、鹿児島県・屋久島沖で11月に墜落した米空軍輸送機CV22オスプレイに関し「安全性と性能に懸念がある」として、オスプレイの安全性に関する情報を来年1月4日までに提供するようオースティン国防長官に求めた。

屋久島墜落事故受け
 米軍は墜落事故を受け、今月6日に空軍のほか海軍や海兵隊を含め全てのオスプレイの飛行を世界中で一時停止した。コマー氏はこうした措置が、より一層の懸念をもたらしているとした。
 コマー氏はオースティン氏に送付した書簡で、1992年以降、オスプレイの墜落が10件以上発生し、軍関係者50人以上が死亡したと指摘。軍はオスプレイの視界の狭さとエンジンの不具合に悩まされており、数機はギアボックスの欠陥で墜落したとしている。
 エンジンの不具合を防ぐため、9年以上にわたり海軍所有の機体の再設計に取り組んだものの、墜落による死傷者が絶えないことも問題視。死傷者を出した大半の事故が戦闘作戦ではなく訓練の際に起きていたことにも不安を感じるとした。
 オスプレイ1機当たり約1億2千万ドル(約171億円)の調達費用がかかっているとし、出費に見合うかどうか判断する必要があるとも強調した。同様の技術を用いた民間機や軍用機を利用する際には安全を確保するためさらなる監視が必要だと訴えた。
 屋久島沖の事故は11月29日に発生。米軍はオスプレイ搭乗員8人全員の死亡を認定し、これまでに7人の遺体が見つかった。