今年亡くなった方々の墓碑銘をまとめた。(敬称略、年齢の次は死去または死亡確認の月日、芸名などの人は本名略、海外は現地時間)
元米国務長官のヘンリー・キッシンジャー(100歳、11・29)は中国を極秘訪問し国交正常化に道を開いた。ベトナム戦争の和平交渉をまとめノーベル平和賞を受賞。
元フィンランド大統領のマルッティ・アハティサーリ(86歳、10・16)はコソボ紛争などの解決に尽力しノーベル平和賞を受賞。イタリア首相を3度務めたシルビオ・ベルルスコーニ(86歳、6・12)は数々のスキャンダルを乗り切り政界に君臨した。
中国首相を2期10年務めた李克強(68歳、10・27)は、習近平国家主席の「1強体制」下で構造改革を実現できなかった。元パキスタン大統領のペルベズ・ムシャラフ(79歳、2・5)はクーデターで権力奪取したが、後に反逆罪に問われ国外に逃れた。
ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エブゲニー・プリゴジン(62歳、8・23)はウクライナ戦争を巡りプーチン政権に対し武装反乱を起こした。小型機墜落で死亡した。
スペイン映画の巨匠カルロス・サウラ(91歳、2・10)は、フランコ独裁体制の検閲をかわして傑作を創出。「カラスの飼育」「カルメン」などが有名。米人気歌手ティナ・ターナー(83歳、5・24)はグラミー賞を12回受賞し「ロックの女王」と称賛された。英国のジェフ・ベック(78歳、1・10)は世界三大ロックギタリストの一人。
政治・経済・社会 アハメド・クレイ(85歳、2・22)は93年のパレスチナ暫定自治宣言(オスロ合意)の秘密交渉でパレスチナ側代表を務め、後に自治政府首相に就任。ハンス・モドロウ(95歳、2・11)は89年11月のベルリンの壁崩壊直後に東ドイツ首相に就任、西ドイツと統一協議を行った。
米国連大使を務めたビル・リチャードソン(75歳、9・1)は、北朝鮮との独自パイプを使って朝鮮戦争の米兵遺骨返還に取り組んだ。米国防総省の元職員ダニエル・エルズバーグ(92歳、6・16)は、ベトナム戦争に関する秘密文書を米紙に暴露、反戦運動に火を付けた。フランク・ボーマン(95歳、11・7)は68年に米アポロ8号の船長として人類初の有人月周回飛行に成功。
学術・文化 英国のイアン・ウィルムット(79歳、9・10)は世界初のクローン羊「ドリー」を誕生させた。チェコスロバキア出身の作家ミラン・クンデラ(94歳、7・11)は世界的ベストセラー「存在の耐えられない軽さ」の著者。フランスの歴史学者エレーヌ・カレールダンコース(94歳、8・5)はソ連崩壊を予測。
英ファッションデザイナーのマリー・クワント(93歳、4・13)は世界でミニスカートブームを巻き起こした。ブラジルのアストラッド・ジルベルト(83歳、6・5)は世界的ヒット曲「イパネマの娘」を歌い「ボサノバの女王」と呼ばれた。
「バナナ・ボート」で知られる米国のハリー・ベラフォンテ(96歳、4・25)は歌手活動のほか公民権運動にも従事。トニー・ベネット(96歳、7・21)も米ポピュラー音楽界を代表する歌手。
米作曲家バート・バカラック(94歳、2・8)は映画「明日に向って撃て!」の挿入歌「雨にぬれても」で知られる。米映画監督のウィリアム・フリードキン(87歳、8・7)は「フレンチ・コネクション」「エクソシスト」など数々の名作を送り出した。英映画監督のヒュー・ハドソン(86歳、2・10)は「炎のランナー」で米アカデミー賞4部門を受賞した。
スポーツ ボビー・チャールトン(86歳、10・21)はサッカー・ワールドカップ(W杯)にイングランド代表として4大会連続出場、66年の初優勝に貢献。「テキサスの荒馬」と呼ばれたテリー・ファンク(79歳、8・23)は日米のプロレスで活躍。
有料
<墓碑銘>2023・海外/極秘訪問で米中正常化 キッシンジャー氏/紛争解決尽力し平和賞 アハティサーリ氏
![<墓碑銘>2023・海外/極秘訪問で米中正常化 キッシンジャー氏/紛争解決尽力し平和賞 アハティサーリ氏](https://ryukyushimpo.jp/tachyon/2023/12/RS20231212G00702010100.jpg?resize=615%2C410&crop_strategy=smart)
この記事を書いた人
琉球新報朝刊
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