有料

家族「せめて遺体を」/中国地震、土石流で被害


家族「せめて遺体を」/中国地震、土石流で被害 甘粛省・積石山県(震源)、四川省、青海省・海東市、陝西省
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【海東(中国青海省)共同】中国甘粛省臨夏回族自治州積石山県を震源とし、計148人の死者を出した地震の発生から25日で1週間となった。同県に隣接する青海省海東市金田村周辺では地震直後に液状化現象によるとみられる土石流が発生し32人が死亡、2人が行方不明のままだ。行方不明者の親族の男性は「優しい姉だった。遺体でもいいので、せめて戻ってきてほしい」と涙ながらに語った。
 「被害を知り驚くしかなかった。今でもいなくなったとは信じられない」。現場から約5キロ離れた別の村に住む少数民族、土族の徐秀全さん(51)は地震発生翌朝、姉の徐秀萍さん(54)とその孫(2)が自宅で土石流に巻き込まれ行方不明になったと知らされた。
 2人の捜索や泥の撤去作業を軍や消防が25日も続けた。「天災はどうしようもない」と気丈に話していた秀全さんだが「姉が6人いるが、年齢が一番近い姉でいつも私のことを気にかけてくれていた」と声をつまらせた。