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習氏、毛沢東の功績称賛 生誕130年、権威付け


習氏、毛沢東の功績称賛 生誕130年、権威付け 毛沢東の生誕130年を祝い集まった人たち=26日、中国湖南省韶山
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【韶山共同】中国の建国指導者、毛沢東の生誕から130年となった26日、毛の故郷、湖南省韶山など各地で行事が行われた。習近平国家主席は北京の人民大会堂での記念座談会で演説し、毛は「中国人民を導いた偉人だ」と功績を称賛。毛の取り組みを「前進させ続ける」べきだと強調した。新華社が伝えた。異例の3期目に入った習氏は自身を毛に重ねて権威付けを図っている。
 習氏は「祖国を必ず統一する」と述べ、毛が実現できなかった台湾統一の決意を改めて示した。
 中国では貧富の格差拡大を背景に毛時代を懐かしむ人が増え、毛が発動した大規模政治運動「文化大革命」の誤りの希薄化が進んでいる。
 韶山にある生家近くの広場には毛を慕う左派(保守派)や観光客ら数万人が25日から集結。中国国旗などの赤い旗を振りながら「毛主席万歳!」と連呼し、毛を礼賛する革命歌「東方紅」や中国国歌を大合唱した。26日に日付が変わる瞬間にカウントダウンをして祝い、同日早朝から多くの人が銅像に拝礼した。
 習氏ら最高指導部の共産党政治局常務委員7人は座談会に先立ち、毛の遺体が安置されている北京の毛沢東記念堂を訪問。毛が革命初期に拠点とした江西省井岡山でも25日、歴史的貢献をたたえる座談会が開かれた。
 中国は世界第2の経済大国へ発展を遂げる一方で格差が拡大し、毛時代を「貧しくとも平等だった」と美化する風潮が広がっている。愛国主義教育の影響で文化大革命を知らない若者も多い。 
 1966年から毛が死去するまで10年続いた文化大革命では1千万人以上が犠牲になったとされる。党は毛の誤りを指摘し、文革を「内乱」と全面否定している。