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選挙イヤー 世界左右 2024年 50カ国20億人が選択


選挙イヤー 世界左右 2024年 50カ国20億人が選択 ロシアのプーチン大統領=日、クレムリン(ロシア大統領府提供・タス=共同)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 2024年は各国で大型選挙が集中する。米シンクタンク「アメリカ進歩センター」によると、50カ国・地域の計20億人超の有権者が投票所に足を運ぶ「歴史的な選挙イヤー」に。日本と関係が深い米国の大統領選や台湾の総統選のほか、ロシア大統領選も行われ、アジア太平洋地域やウクライナの情勢など結果は世界の未来を左右する。
 1月13日投開票の台湾総統選で幕を開ける。与党、民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統(64)がリードするが、対中融和路線の最大野党、国民党の侯友宜新北市長(66)が追い上げ、接戦の可能性が指摘されている。中国は「戦争か平和かの選択だ」と主張。独立派と見なす民進党政権が続けば「戦争」の危険が高まると宣伝し、民進党が不利になるよう世論工作を展開している。
 インドネシア大統領選は2月14日投開票。各種世論調査では、現職ジョコ大統領の長男ギブラン氏(36)を副大統領候補に擁立したプラボウォ国防相(72)が3候補中首位に立つ。現政権の継承をアピールし、高支持率を保つジョコ氏の支持層を取り込む。
 当選に必要な過半数に達しない場合は、ジャカルタ特別州のアニス前知事(54)、中ジャワ州のガンジャル前知事(55)のどちらかと6月の決選投票にもつれ込む。
 ウクライナ侵攻を続けるプーチン大統領(71)が5選を目指すロシア大統領選は3月17日に実施。野党は候補擁立を決めたが政権批判には及び腰。長期化する侵攻を逆手に取って国民に団結を訴えるプーチン氏の当選が確実視される。選挙は「翼賛」色の強い信任投票の様相で、陣営は得票率80%以上の圧勝を狙う。
 平時なら3月に大統領選が予定されていたウクライナではゼレンスキー大統領(45)が延期を示唆し、実施は不透明だ。
 インドでは4~5月にかけて総選挙を予定。与党インド人民党(BJP)を率いて14年から政権を握るモディ首相(73)が3期目入りを目指す。国民会議派は野党連合「インド国家開発包括同盟(INDIA=インディア)」で対抗する構えだが、BJPが選挙戦を優位に進めそうな状況だ。
 前哨戦と位置付けられた23年12月開票の4州議会選では、前回選挙で国民会議派が最多議席を得ていた3州でBJPが過半数を確保し、強さを見せつけた。選挙を左右する経済状況も順調に推移し、高成長が続く。
 米大統領選は11月5日投開票。続投を目指す民主党バイデン大統領(81)と、返り咲きを狙う共和党トランプ前米大統領(77)の再対決の可能性がある。バイデン氏は高齢に伴う衰えが懸念され、トランプ氏も21年の議会襲撃事件などで法廷闘争を余儀なくされており、互いに不安要素を抱えながらの選挙戦となる。
(上)演説するバイデン米大統領=8日、ネバダ州(中)演説するトランプ前米大統領=17日、ネバダ州(いずれもゲッティ=共同)(下)ロシアのプーチン大統領=21日、クレムリン(ロシア大統領府提供・タス=共同)