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台湾 与党頼氏リード 総統選まで1週間 対中姿勢焦点


台湾 与党頼氏リード 総統選まで1週間 対中姿勢焦点 頼清徳氏(ロイター=共同)、侯友宜氏(中央通信社=共同)、柯文哲氏
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【台北共同】3候補で争われる13日投開票の台湾総統選まで6日で1週間。リードする与党、民主進歩党(民進党)の頼清徳副総統を対中融和路線の最大野党、国民党の侯友宜・新北市長が追う展開のまま、選挙戦は最終盤に入った。政権交代を目指す侯氏陣営は台湾民衆党の柯文哲・前台北市長の支持者の取り込みによる逆転を狙う。
 台湾では法律の規定で投票の10日前から世論調査結果の発表が禁止されている。各メディアや調査機関が2日までに発表した選挙前最後の結果では、いずれも頼氏が侯氏をリード。頼氏の支持率は30~40%で、侯氏に3~11ポイントの差をつけている。3位の柯氏も20%前後の支持率を維持している。
 台湾の選挙では、有権者が最後に、勝てる見込みがより大きい候補に乗り換える投票行動が起きていることから、侯氏陣営は柯氏支持者からの乗り換えに期待する。
 侯氏は4日、地元紙の取材に、政権交代のために「野党で最も強い」自分に票を集中させなければならないと主張。国民党と民衆党の候補一本化は実現しなかったが最後の投票の段階で協力することができると訴えた。
 ただ民進党と国民党の二大政党を嫌う若年層の柯氏への支持は根強く「(柯氏から侯氏への乗り換えの)規模は大きくはならないだろう」(台湾大の王業立教授)との見方も強い。
 選挙戦は各候補の対中姿勢が焦点。先月末のテレビ討論会では米国などとの連携で中国に向き合うと主張する頼氏と、中国との緊張緩和を訴える侯氏が舌戦を展開した。