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イスラエル 新作戦移行 ガザ侵攻、北部で「目標達成」


イスラエル 新作戦移行 ガザ侵攻、北部で「目標達成」 5日、パレスチナ自治区ガザ中部デールバラハで、荷物を持って自宅から避難する住民ら(ゲッティ=共同)
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 【エルサレム共同】イスラエルのガラント国防相は4日、パレスチナ自治区ガザ北部での地上作戦について「目標を達成しつつあり、新たな作戦に移行する」と発表した。大規模攻撃から、標的を絞った精密攻撃への転換とみられるが、空爆は続行し、イスラム組織ハマスの地下トンネル破壊や特殊部隊の投入も含まれるとしている。
 ガザ南部でも「ハマス幹部の排除に集中する」としたが、イスラエル紙ハーレツは「大きな変化はない」としており、これまで同様、民間人が多い地区への攻撃が続くとみられる。AP通信によると、ガラント氏個人の考えで、政府の公式方針ではない。
 ガラント氏は、ハマス掃討作戦が終了後のガザについて(1)イスラエルでなくパレスチナ人が民生を管轄(2)イスラエル軍は自由に活動(3)ユダヤ人の再入植は認めない―と説明。「ガザのパレスチナ人が統治に責任を持つ」とし、復興は欧米諸国や親欧米のアラブ諸国が担うとの考えを示した。
 ただ、国際社会が求める「2国家共存」に言及しておらず、欧米やアラブ諸国との事前調整も不透明で、実現可能性は未知数。
 イスラエルの一部極右閣僚が作戦後のガザにユダヤ人入植地の建設を要求したことで高まっている国際的な批判をかわす狙いがありそうだ。
 中東の衛星テレビ、アルジャジーラは5日、ガザ中部デールバラハ近郊で激しい攻撃が報告されていると報じた。