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少数与党なら運営「困難」 台湾総統選 民進党頼氏、議会選も重視


少数与党なら運営「困難」 台湾総統選 民進党頼氏、議会選も重視 外国メディア向けに記者会見する民進党の頼清徳氏=9日、台北
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【台北共同】13日投開票される台湾総統選の与党、民主進歩党(民進党)候補、頼清徳副総統が9日、台北で外国メディア向けに記者会見した。中国の圧力に直面する中、総統選に勝っても同時実施の立法委員(国会議員)選で民進党が過半数割れし少数与党になれば政権運営は「困難」に陥ると述べ、立法委員選も重視する姿勢を強調した。
 頼氏は総統選でリードしているが、民進党は立法委員選では苦戦し、過半数割れする可能性が指摘されている。総統選にはほかに対中融和路線の最大野党、国民党の侯友宜・新北市長、台湾民衆党の柯文哲・前台北市長が出馬している。
 頼氏は、民進党の陳水扁政権下で立法委員だった際、野党国民党が主導する立法院(国会)で米国からの武器購入をたびたび妨害されたと振り返った。総統選勝利だけではなく立法院で過半数を取らなければ「台湾にとってのショックと影響は大きい」と述べた。
 また中国が経済的な手段や偽情報の拡散で選挙に介入していると批判。侯氏を念頭に、中国が台湾に「親中政権」をつくろうとしているとの考えを示す一方、「台湾人は民主主義の力を発揮する」と述べ、自身の勝利に自信を示した。
 呉釗燮外交部長(外相)も9日記者会見し、中国の選挙介入について説明した。中国がほかの民主主義国の選挙にも介入する可能性があるとし、総統選後に中国の介入に対抗した台湾の経験を他国と共有したいと表明した。