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能登半島地震 2次避難 1万人分確保へ 政府、要介護者ら優先


能登半島地震 2次避難 1万人分確保へ 政府、要介護者ら優先 4県の被害状況(日午後4時現在)
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 能登半島地震の被災者の避難先として旅館やホテルなどを活用する「2次避難」を巡り、政府が週内に石川、富山、福井、新潟の4県で、計1万人分を確保できる見通しになったことが分かった。持病を持つ人、妊婦、要介護者、75歳以上の高齢者とその家族を優先させる方向で調整している。関係者が10日明らかにした。政府と石川県は避難所の厳しい生活環境を踏まえ、体調悪化に起因する災害関連死を防止する観点から、円滑な2次避難の実施に向けた調整を加速させる。 (4面に関連)

 石川県で最大震度7を観測した地震は発生から10日目。午後2時時点の死者は206人。うち災害関連死は、新たに能登町の2人が増え、前日の珠(す)洲(ず)市の6人と合わせ計8人になったと県は発表した。
 連絡の取れない安否不明者は52人になった。県内398カ所の避難所に2万5770人が身を寄せている。
 災害関連死は地震による直接の死亡ではなく、震災後、けがの悪化や心身の負担による疾病で亡くなった死者。県は「その疑いがあるという段階で発表している。確定した数字ではなく、今後変動する可能性がある」と説明した。珠洲市は「認定は暫定的なもの」としている。
 県は県内の宿泊施設7カ所に計182人が2次避難していることも明らかにした。馳浩知事は「今のままでは、災害関連死が増えてしまう。早く決断してほしい」と避難者に呼びかけた。
 2次避難先の確保を図ると同時に、前段階として被災地からの一時的な避難を進める。輪島市では10日、県が管理する金沢市の「いしかわ総合スポーツセンター」に避難者が向かった。
 輪島市では二次災害を防ぐ目的で、被災した建物の倒壊の危険性を調べる「応急危険度判定」が七尾市や羽咋市などに続いて始まった。
 馳知事は10日の記者会見で、3月16日に予定されている北陸新幹線金沢―敦賀(福井県敦賀市)間の延伸開業に関し「スケジュール通りお願いしたい。県も準備を進める」と述べた。
 県は住宅1825棟で被害を確認したと発表。ただ輪島市や珠洲市などについては全容は判明していない。電気や水道のライフラインは多くの被災地で復旧していない。
 自治体別の死者数は、珠洲市91人、輪島市83人、穴水町20人、七尾市5人、能登町4人、志賀町2人、羽咋市1人。