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野党候補も「現状維持」 台湾総統選あす投開票 任期中、統一問題触れない


野党候補も「現状維持」 台湾総統選あす投開票 任期中、統一問題触れない (左から)台湾民衆党の柯文哲氏、国民党の侯友宜氏、民主進歩党の頼清徳氏=11日
この記事を書いた人 Avatar photo 共同通信

 【台北共同】台湾総統選の対中融和路線の最大野党、国民党候補の侯友宜・新北市長が11日、同市で外国メディア向けに記者会見を開き、中台関係を巡り「民意は現状維持だ」と強調し、当選した際は任期中に統一の問題に触れることはないと断言した。13日に投開票を控え、与党、民主進歩党(民進党)候補の頼清徳副総統と台湾民衆党候補の柯文哲・前台北市長も大規模集会を開くなどして支持を訴えた。

 侯氏は、中国が台湾独立派と見なす民進党政権下で「中台の軍事衝突のリスクが高まった」と指摘。中国を戦争に踏み切らせないための軍備増強を図る一方、中台交流も進める「中間路線」を取るとし、中国が求める一国二制度による統一を受け入れない姿勢を示した。

 3候補とも、独立も統一も求めない「現状維持」を訴えており、どの候補が勝利しても台湾が統一に動く余地はない。

 頼氏にリードされている侯氏は主要争点の対中政策で硬軟両様の現実路線をアピールして巻き返しを狙う。米国からの武器購入を推進すると表明した上で「軍事協力や情報交換も強化する」とし、中国との対等な対話には「軍備増強」が前提になるとの考えを示した。

 頼氏が、中国は経済的な手段や偽情報の拡散で選挙介入していると批判しているのに対し、会見に同席した国民党の副総統候補の趙少康・元立法委員(国会議員)は「中国は選挙に介入したいが、成功しない」と述べ、台湾の民主制度は揺るがないと主張した。

 この日、頼氏は台湾北部・桃園市などを選挙カーで巡った後、中部・台中や台北の集会に参加。柯氏も台北で集会を開き、侯氏は記者会見後に新北市を選挙カーで回った。