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フェイク拡散 中国干渉か AI巧妙化、投票影響も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【台北共同=杉田正史】13日の台湾総統選を巡る偽情報がインターネット上で拡散している。対中政策で厳しい姿勢の与党、民主進歩党(民進党)に不利な内容が目立ち、中国の干渉がささやかれる。台湾当局は監視を強化するが、人工知能(AI)を使った巧妙なフェイクニュースの排除は難しく、投票行動への影響が懸念されている。
 「中国の選挙介入は今回が最も深刻だ」。民進党候補の頼清徳副総統は9日に開かれた外国メディア向けの記者会見で不満を表明。軍事や経済などでの圧力に加えて偽情報も流布し、対中融和路線の最大野党、国民党の侯友宜・新北市長を念頭に「親中政権」をつくろうとしていると主張した。
 実際、民進党の副総統候補の蕭美琴氏がターゲットになっている。米国人の母親を持ち英語が堪能なことが取り上げられ、「米国籍を放棄しておらず、二重国籍で立候補資格がない」との偽情報が出回った。
 非営利団体「台湾ファクトチェックセンター」は、AIの普及でフェイクニュースが量産され、真実かどうか見分けるのが難しくなっていると指摘した。