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若者票 取り込み全力 台湾総統選 結果左右する浮動票


若者票 取り込み全力 台湾総統選 結果左右する浮動票 民進党の大規模集会で候補者への支持を訴える若者=11日、台北
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【台北共同=渡辺哲郎】13日投開票の台湾総統選で、結果を左右するとされる若者の投票行動に各陣営が注目している。直前まで投票先を決めない浮動票が多いとされ、候補らは取り込みに全力を挙げてきた。市民の間では多様な意見を反映させたいとして、若者に投票を促す動きも広がっている。 (3面に関連)
 「重視するのは対中政策」。初めて総統選投票に臨む台北市の大学4年の女性(22)は「台湾が中国に統一されてほしくない」と述べ、各候補の対中政策を見極める考えだ。大学4年の男性(22)は物価高や安い初任給など内政への不満から、現状打破には「従来型の政党では難しい」との見方を示した。
 2020年の前回総統選は香港の大規模デモを受けて台湾で反中意識が拡大し、中国に厳しい姿勢の民主進歩党(民進党)の蔡英文総統が再選を果たした。親中路線の国民党候補を嫌った多くの若者が蔡氏を支持したとされ、政治の選択における若者の影響力の大きさが浮き彫りになった。
 台湾では投票日に自身の戸籍のある自治体で投票しなければならない。市民団体の台湾青年民主協会は投票に伴う若者の帰省運賃を支援する資金として約90万台湾元(約420万円)をクラウドファンディングで集め、約1200人への分配を進めている。