岩盤支持層揺るがず

　米大統領選に向けた共和党候補指名争いの初戦アイオワ州党員集会はトランプ前大統領が圧勝し、議会襲撃など４事件で刑事被告人となる中でも岩盤支持層に揺らぎがないことが鮮明となった。今後の予備選もトランプ氏を熱烈に支持する「ＭＡＧＡ（マガ）」の動向が鍵を握る。
　アイオワ州は人口が少ないものの、白人比率が高く保守化した共和党支持層全体の傾向を色濃く反映している。次戦以降に向けて対抗馬はＭＡＧＡを切り崩せるかどうかが問われていた。
　フロリダ州のデサンティス知事はトランプ氏に２倍以上の票差をつけられ完敗した。売りにしていた保守路線がＭＡＧＡに響いていないことが浮き彫りとなり、厳しい現実を突き付けられた。
　終盤に追い上げムードにあると伝えられたヘイリー元国連大使も３位に沈んだ。ロシアの侵攻を受けるウクライナへの支援継続を訴えた姿勢が財政支出を嫌うＭＡＧＡに敬遠されたとみられる。
　トランプ氏は初戦を制して勢いづく。ただ共和党穏健派や無党派から忌避されるＭＡＧＡに頼れば頼るほど、民主党のバイデン大統領と対決する本選では不利になるジレンマも抱える。
　（デモイン共同＝高木良平）