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トランプ氏が初戦圧勝 米大統領選、共和指名争い


トランプ氏が初戦圧勝 米大統領選、共和指名争い 米大統領選の今後の主な日程
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 【デモイン(米アイオワ州)共同=新冨哲男】11月5日の米大統領選に向けた共和党候補指名争いの初戦、中西部アイオワ州党員集会が15日(日本時間16日)開かれ、トランプ前大統領(77)が圧勝した。事前の世論調査通りの勢いを誇示し「米国を再び偉大にする。米国第一が重要だ」と勝利宣言した。約30ポイント差をつけられてデサンティス・フロリダ州知事(45)が2位、ヘイリー元国連大使(51)が僅差で3位となった。
 大統領選投票日まで10カ月近くに及ぶ長期戦が開幕した。トランプ氏は四つの事件で起訴され、裁判リスクを抱えながら選挙戦を進める。
 今回の大統領選は、民主主義や多様性、国際協調を旗印に再選を目指す民主党バイデン大統領(81)への審判となる。争点は経済政策や移民対策、ウクライナ支援などで、結果はアジアを含めた国際情勢にも影響する。
 共和党アイオワ州支部によると、日本時間16日午後5時半現在の得票率はトランプ氏が51・0%、デサンティス氏21・2%、ヘイリー氏19・1%。4位の7・7%と伸び悩んだ実業家ラマスワミ氏(38)は撤退し、トランプ氏支持を表明した。
 AP通信によると、アイオワ州共和党員集会での首位と2位の差は、1988年に勝利したドール上院院内総務が残した約13ポイント差の記録を大きく更新した。
 大勢判明を受け、トランプ氏は不法移民対策で、道半ばで終わった国境の壁建設を完成させると強調。バイデン氏を「米史上最低の大統領だ」と批判した。
 デサンティス氏は「狂気に覆われた国の現状をひっくり返すチャンスだ」と訴え、逆転を期した。ヘイリー氏は「トランプ氏もバイデン氏も80歳前後だ」と非難し、次世代の指導者は自身だとアピールした。今月23日に実施される第2戦の東部ニューハンプシャー州予備選で巻き返しを図る。
 アイオワ州は氷点下20度を下回る寒波に見舞われ、米メディアによると、史上最も寒い党員集会になった。投票率はこの四半世紀で最低だった。