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沖縄戦継承に信念固く 上原はつ子さんを悼む 瀬名波栄喜(「元全学徒の会」共同代表)


沖縄戦継承に信念固く 上原はつ子さんを悼む 瀬名波栄喜(「元全学徒の会」共同代表) 要望していた全学徒の碑が除幕され、笑顔で喜びを分かち合う昭和高等女学校元学徒の上原はつ子さん(右)と、涙を流す吉川初枝さん=2017年3月14日、糸満市摩文仁
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄戦に動員された県内21校の元生徒らでつくる「元全学徒の会」で、上原はつ子さんと一緒に活動してきた。(訃報を聞き)ともに仕事をしてきた者としてこんなに寂しいことはない。「元全学徒の会」結成や「全学徒隊の碑」建立に大きな功績がある上原さんが亡くなったのは大きな痛手だ。
 上原さんたちが最初に県へお願いし、繰り返し要請してきたことで、やっと糸満市摩文仁の「全学徒隊の碑」建立が実現した。とても熱心で何が何でも碑の建立をしなければならないという心意気に燃え、信念が非常に固かった。
 元全学徒の会結成や碑の建立に向けた活動の先駆けとなり、大きな貢献をされた。情熱の高い方だった。
 「単に碑を建てるだけではなく、各校の戦死者数を書かないといけない」ことも求めた。県が戦没者数の表記などについて、なかなか承知しない中、何度も何度も県へ要請し、1984人の生きた証しとして刻銘することができた。
 上原さんが取り組んだように、沖縄戦の残酷さや悲惨さ、実相を若い世代へぜひ伝えて平和な沖縄を築いていけるようにしたい。われわれの子どもや孫、ひ孫の時代には、残酷きわまりない沖縄戦が二度と起きないようにしたい。(「元全学徒の会」共同代表、談)