有料

全国で「潜在」教員発掘 文科省 不足解消へ企業と連携


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 文部科学省は2日、教員免許を持ちながら教職に就いていない人たちに研修を行い教員になってもらう取り組みを全都道府県教育委員会で実施する方針を固めた。企業や大学と連携して「潜在的ななり手」を発掘し、公立学校の教員不足解消につなげたい考え。2023年度の補正予算案に必要経費を計上し、各教委に早期の実行を促す。
 文科省調査によると、21年度当初、全国の公立小中高校と特別支援学校で計約2500人が不足した。23年度当初でも1年前より状況が「悪化した」と回答した都道府県・政令指定都市教委は4割に上った。
 取り組みでは、教委と地元企業、大学などが連携して教員の魅力を広報し、志望者を掘り起こす。元教員だけでなく、教員免許は持っていても一度も教職に就いたことがない人、アスリートやアーティストといった専門家、企業からの派遣などを想定しており、事前に研修を実施して現場に出てもらう。
 まずは非常勤スタッフとして学校に配置し、適性を判断して、最終的には臨時講師などフルタイム雇用に移行する。教員免許を持っていない場合は、臨時免許や特別免許の交付で対応する。
 文科省の担当者は、教員不足解消には企業などのこれまで目を向けてこなかった領域でなり手を開拓する必要があると説明。「関心があっても、いきなり現場に出ることに不安がある人もいる。研修をしっかり実施することで定着につながる」としている。