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市民の寄付で活動支援 香川 コミュニティー財団、地域課題解決


市民の寄付で活動支援 香川 コミュニティー財団、地域課題解決 「たかまつ讃岐てらす財団」代表理事の大美光代さん
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 市民が寄付した資金で地域の課題解決につながる取り組みを支援するコミュニティー財団が9月、香川県で初めて発足した。「たかまつ讃岐てらす財団」(高松市)で、行政支援の枠組みから漏れがちな活動に光を当て柔軟、迅速に助成する組織を目指す。初年度は子どもの学びや体験の機会をつくるプロジェクトを資金援助対象とし、早くも申請が相次いでいる。
 「人任せではなく、自分事として地域に関わる人を増やすプラットフォームをつくりたい」と代表理事の大美光代さん(43)を中心に設立を進め、6月に寄付の呼びかけを開始。10月末までに、賛同した656人から計約570万円が集まった。
 てらす財団はまず、香川県外に進学、就職する若者が多い現状に着目。子どもたちに地元愛を育んでもらえるような学びの場を提供するプログラムを助成対象に選んだ。
 10月に申請の受け付けを開始。児童が福祉施設を訪問する活動に取り組む小学校からは「お年寄りに笑ってもらおうと、お笑い芸人から芸の指導を受ける費用を助成してほしい」と手が挙がり、離島に出向いて海岸清掃している高校からは、生徒が負担している船代などの支援を求める申請があった。年内に採択するかどうか決めるという。
 米国で発祥したコミュニティー財団は、ボランティア団体よりも資金面で持続性に優れ、日本でも広がりをみせている。「全国コミュニティ財団協会」には10月末時点で24都道府県にある27団体が加盟。支援対象はさまざまで、岡山県総社市の財団は2018年の西日本豪雨で、仮設診療所の設置や炊き出し事業などに助成した実績がある。
 「資金援助はあくまで手段。地域で何が起きているのかを多くの人と共有し、関わろうと思う人を増やしたい」と大美さん。寄付は財団ホームページで受け付けている。