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阪神の外野手として 日本シリーズMVPに輝いた 近ちか本もと 光こう司じさん 島の子 成長し「アレ」けん引


阪神の外野手として 日本シリーズMVPに輝いた 近ちか本もと 光こう司じさん 島の子 成長し「アレ」けん引 プロ野球阪神の外野手として日本一に貢献した近本光司さん
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 1番打者としてチームには不可欠な存在だった。死球による肋骨(ろっこつ)骨折での離脱もありながら、俊足と巧打で引っ張った。日本シリーズでは最高殊勲選手(MVP)に輝いた。「若い勢いがあった。僕らは僕らの野球をすると思えた」と強さを誇った1年を振り返った。
 2019年にドラフト1位で阪神に入団した外野手。兵庫・社高、関西学院大で活躍したが、大学時代はけがもあり、注目を浴びる存在ではなかった。社会人野球の大阪ガスでドラフト候補に成長し、プロの世界へ。1年目から盗塁王を取るなどチームの顔となった。新人から5年続けて100安打を軽く超え、今季は4度目の盗塁王を獲得。12球団トップの得点圏打率3割7分4厘を誇り、好機での存在感が際立った。
 育ったのは兵庫県の淡路島。「電車もない、大きい建物もない、近くにプロ野球もない」という環境だった。そんな経験から、鹿児島県の沖永良部島で自主トレーニングをしていた縁で、島の子どもたちを球場に招待している。
 それは野球を見てほしいからという理由だけではない。「島の中の生活で、進路の選択肢が狭い中で決めちゃう」と感じるからこそ、島の外で他の世界を見る機会を持ってもらいたかった。「経験をすることで、もっと勉強をしてみたいとか、選択肢がどんどん広がる」という思いがある。
 甲子園では毎試合のように浴びる4万人からの大歓声に「(味方が)阪神ファンで良かった」。兵庫県出身、28歳。