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「元の墓に戻して」 ニライ・カナイぬ会 県議会に陳情


「元の墓に戻して」 ニライ・カナイぬ会 県議会に陳情 琉球人遺骨に関する陳情書を手渡す、「ニライ・カナイぬ会」の仲村涼子共同代表(右端)=14日、県議会
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 戦前、研究目的で今帰仁村の風葬墓「百按司(むむじゃな)墓」などから持ち出された琉球人遺骨の返還を求める団体「ニライ・カナイぬ会」は14日、県議会に対し県教育委員会が保管する遺骨を元の墓に戻すことなどを求める陳情を提出した。陳情は受理され、28日開会の県議会11月定例会で委員会に付託、審議される見通し。
 台湾大(旧台北帝国大)から県教委に移管された遺骨について、関連情報を開示するようニライ・カナイぬ会が県に求めた訴訟を2022年に提起。那覇地裁は今年9月に一部の情報開示を命じる判決を出し、県教委は遺骨の採集場所とされる地名が記された情報などを同会に開示した。
 陳情は遺骨を元の墓に戻すことに加え、県教委が責任を持って遺族らを捜索すること、収集や研究に当たっては国際規範にのっとった人権を尊重する倫理指針を作成することなどを求めている。
 仲村涼子共同代表は「遺族の許可を得ずに盗掘され、第三者が研究資料として保管していることは異常だ」と主張。「国際的潮流を考えれば墓に返すのが大前提。県議には遺族の思いをくみ、琉球固有の文化を踏まえ人権を尊重した対応をしてほしい」と要望した。 (小波津智也)