有料

人工腎臓研究 現状語る 浦添 熊本大・西中村教授が講演


人工腎臓研究 現状語る 浦添 熊本大・西中村教授が講演 壇上で質疑応答をする(右から)西中村隆一教授、野嵩正恒さん=19日、浦添市の国立劇場おきなわ小劇場
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 県腎臓病協議会(國吉實会長)は19日、講演会「再生医療と腎臓移植」(琉球新報社共催)を浦添市の国立劇場おきなわで開催した。熊本大学発生医学研究所の西中村隆一教授が「試験管の中で腎臓を作る」と題して、試験管や動物の体内で腎臓を再生する研究の現状について紹介した。
 西中村氏は慢性腎疾患全般に効く薬の開発は難しいが、遺伝に関わるなど特定の腎疾患の進行を止める薬の開発は現実的にあり得るとの見方を示した。人間に移植可能な人工腎臓は実現しておらず、臨床には相当な時間がかかるとの見方を示した。
 西中村氏によると、10年前は腎臓を人工的に再生する研究は自身を含め少数しかいなかったが、今は世界中で行われ加速度的に進歩しているという。人工腎臓が人に移植されるまでどのくらいの期間を要するかについては「簡単ではないとしか答えられないが、今は全世界で研究が進んでおり、私の見立てより早く実現するのではないか」と話した。 (梅田正覚)