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「命の危険、理解して」 共同親権反対の院内集会


「命の危険、理解して」 共同親権反対の院内集会 国会内で開かれた共同親権を巡る院内集会=22日午後
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 法制審議会(法相の諮問機関)で検討が進む離婚後共同親権の導入に反対する当事者や弁護士らが22日、国会で院内集会を開き「ドメスティックバイオレンス(DV)や虐待の被害者が、命の危険を感じていると理解してほしい。当事者の声を聞かずに決めないで」と訴えた。
 離婚後に元夫が親権者となり、監護権を持ち子どもと同居している女性は、アルコール依存症で無職の元夫に「連れ去り」と責められ、自宅前で待ち伏せされたり、学校に乗り込まれたりしたという。現在は引っ越し、住所を秘匿して暮らす。「いつ嫌がらせをされるか分からない生活には戻りたくない。話し合えないから離婚したのに、共同で親権を持つことになるのではすごく心配だ」と涙声で語った。
 法制審部会は、父母が合意した場合だけでなく、家裁の決定で共同親権を導入できる「たたき台」を検討している。離婚実務に詳しい岡村晴美弁護士は「父母間のパワーバランスで事実上強制されうる」と懸念。「ワンオペ育児でDVやモラハラを受けても、子どもを連れて逃げれば『連れ去り』と訴えられる。責任を持って子育てした人を危険にさらしてはならない」と指摘した。
 集会は、約150の団体・個人で設立された「『離婚後共同親権』から子どもを守る実行委員会」が開催した。