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地域に特化 データ放送 糸満出身杉本さん メディア展で好評


地域に特化 データ放送 糸満出身杉本さん メディア展で好評 国際展示会に出展したメディアキャストの杉本孝浩さん=千葉市の幕張メッセ
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【千葉】放送メディアやコンテンツビジネスの国内外のイノベーションの最先端をそろえた日本最大の国際展示会「Inter BEE 2023」(電子情報技術産業協会主催)が千葉市の幕張メッセであり、県出身の杉本孝浩さん(60)のメディアキャストも「メディア・ソリューション部門」で出展、好評を博した。
同展示会は音・映像・通信のプロフェッショナル展で今月15~17日に開催された。
杉本社長は糸満市出身。かつてハリウッド映画の『ターミネーターⅡ』などのCG技術で知られる米国シリコングラフィックス社の日本法人で働いていた。
転機は日本での地上波デジタル放送の開始だった。2003年12月の放送開始を前にメディアキャストを立ち上げ、デジタル放送のシステム作りを開始した。テレビリモコンの「D」ボタン(地上波デジタル放送に対応した番組に連動した情報などを配信するデータ放送)の天気予報、交通情報などを配信するシステムを構築し、キー局や全国各地のローカル局、ケーブルテレビでカスタマイズした「データ放送」を配信している。
民放の情報番組で人気コーナーの「めざましじゃんけん」などもメディアキャストのシステムを活用し運用されている。
創業以来、毎年「Inter BEE」に出展していて、今年は鹿沼ケーブルテレビで「ミルシカ」として運用されている「地域メディア・ブランディング・プラットフォームPOSCAStPlatform(ポスキャス・プラットフォーム)」を提案した。
地域に特化した映像配信と情報のプラットホームで、例えば、小学校ごとの給食メニューなど地域限定のデータ放送が検索できる。天気予報も沖縄であれば台風情報が台風の移動に合わせて八重山、宮古、本島と地域ごとに警報や注意報を出すことも可能という。
杉本さんは「ショッピング番組の決済の誘導も自前のプラットフォームで行えば、決済も自前でやれるから地域の経済活性につながる。これを全国に普及したい」とアピールした。 (山川夏子通信員)