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改憲風潮に危機感訴え/沖縄弁護士会/議員任期延長に反対


改憲風潮に危機感訴え/沖縄弁護士会/議員任期延長に反対 沖縄弁護士会の(左から)西端裕子副会長、金城智誉会長、小口幸人弁護士=28日、那覇市松尾の沖縄弁護士会館
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 沖縄弁護士会の金城智誉(ともやす)会長らは28日、緊急事態時に国会議員任期を延長する憲法改正に反対する会長声明に関して、那覇市松尾の沖縄弁護士会館で会見した。金城会長は「緊急事態なら(改憲が)許される風潮が出てきている」と危機感を語り、地上戦経験後も基地負担が大きい沖縄から憲法を守る声明発表の意義を強調した。
 声明は、1~6月に開かれた衆議院の憲法審査会で、大規模災害などの緊急事態時に議員任期延長を可能とする議論が行われていることを受け、20日に発表した。緊急時でも選挙の機会は保障されるべきとし、参議院の緊急集会により緊急時でも国会機能は維持できると強調。公職選挙法改正で大規模災害時の選挙実施も可能と訴えている。
 声明は首相や衆参の憲法審査会長らに送った。同会によると、28日現在、全国で11の弁護士会などが同様の声明や意見書を出している。
 憲法審査会の動向をチェックしている同会憲法委員会の小口幸人弁護士は、1941年の議員任期延長の歴史などを踏まえ「(改憲されれば)多数派が乱用する危険がある」と指摘した。金城会長は「緊急事態であっても憲法は守らないといけない」と述べた。
 同会は12月2日午後2~4時に同会館で、小口弁護士による「緊急事態条項は必要?」と題した憲法学習会を開く。
 (金良孝矢)