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「命をもって罪償って」/京アニ公判/遺族、厳罰求める


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の第18回公判が29日、京都地裁で開かれた。検察側の被害感情の立証が続き、犠牲者の遺族が意見陳述した。「(被告は)命をもって罪を償ってほしい」「幼い娘から父親を奪った」。家族を突然失ったやるせなさや、事件への反省を明確に示していない被告に対する怒りなどさまざまな思いが吐露された。
 公判は27日から量刑に関わる情状面の審理が始まった。29日は犠牲者10人の遺族が法廷で直接述べたり、書面を代読してもらったりした。遺族や被害者の意見陳述は12月6日の第21回公判まで行われる予定。
 社員だった娘を亡くした父親は「被告は罪を問うのにも絶句するような成育環境だった」としながらも、「どうして娘が巻き込まれなければならないのか、理解も納得もできない」と述べた。
 宇田淳一さん=当時(34)=の妻は、事件当時1歳4カ月だった娘に「『お父さんは火事で亡くなった』と言っている。殺されたとは伝えていない」と明かした。