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被害者に頼らず 差別禁止制度を/京都ウトロ放火から学ぶ


被害者に頼らず 差別禁止制度を/京都ウトロ放火から学ぶ 講演する「ウトロ平和祈念館」の金秀煥副館長=3日午後、広島市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 広島市に差別禁止条例制定を求める市民団体のネットワークが3日、市内で集会を開いた。京都府宇治市の「ウトロ平和祈念館」の金秀煥副館長=写真=が講演し「ヘイトスピーチやヘイトクライム(憎悪犯罪)に対し、被害者が身を切り声を上げなければいけない現状がある」と、差別を禁止する法律や条例などの制度が必要だと訴えた。
 在日コリアンが多く住む宇治市のウトロ地区では2021年、住宅への放火事件が発生。逮捕された青年は差別が動機だったと話した。金氏は拘置所で青年と面会。「青年は生きづらさを抱え、ネットで見つけたヘイトスピーチに自身の正当性を見いだしていた。誰が加害者になってもおかしくなかった」と感じたという。
 金氏は「ターゲットは朝鮮学校や子どもかもしれなかった。他のマイノリティーに矛先が向いた可能性もある。誰が被害者になるか分からない」と指摘した。