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「蘇民祭」千年の歴史に幕/岩手・担い手不足で来年最後


「蘇民祭」千年の歴史に幕/岩手・担い手不足で来年最後 蘇民祭で護符の入った麻袋を奪い合う男たち=2017年2月、岩手県奥州市
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報朝刊

 岩手県奥州市の黒石寺は5日、千年以上の歴史を持つとされる奇祭「蘇民祭(そみんさい)」を来年2月17日で終了すると発表した。寺のホームページで「祭りの中心を担う皆さまの高齢化と今後の担い手不足により、祭りの維持が困難な状況となった」と理由を説明した。
 蘇民祭は、無病息災や豊作を祈り、下帯姿の男たちが護符の入った麻袋「蘇民袋」を奪い合う勇壮な祭り。2008年には、胸毛にひげ面の男性を扱った告知ポスターが不快感を与えるとして、JR東日本が駅などでの掲示を拒否したことで話題となった。
 今年1月、3年ぶりに開催されたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で蘇民袋の争奪戦は中止になった。本来は夜通し行う祭りだが、来年2月17日は夕方から午後11時までとし、蘇民袋の争奪戦は行う予定。